Web2.0 がすっきりした
Tim O'Reilly が Web2.0 を発表してから随分時間が経ったけど、今まで何か気持が悪かったのだが、今日やっとYouTubeについて(3) (My Life Between Silicon Valley and Japan)を読んで腑に落ちた。
これからは、「あちら側」に無限の情報が存在し、その検索性が高まり、なおかつネット上で人でつながっているので必要なら「誰かに情報を求める」というアクションも簡単に取ることができる時代である。欲しい情報のすべてが絶対に「あちら側」に存在するという保証はないが、かなりの確度で必要なときにアクセスできる(exactに欲しいものにたどりつけなくても似たような未知のものには必ずたどりつける)、と信じることができるようになると、人々の情報に対する行動は変わってくるに違いない。
重複になるが、「Web2.0 な世界は、欲しい時に欲しい情報がどこか(ネットなど)から得られ、自分で情報を貯める必要が無くなった世界。」ということ。
YouTube 世代は、映像はネットにあるはずだから、思いついたときに(必要なときに)検索すればよいと考える。梅田さん流に言えば、情報は「あちら側」にあるので「こちら側」には置かない。もしこういう視聴スタイルが一般的になるのだとすると、またこういう世代が数年後の実社会で力を持ってくるようになると、消費者向け家電製品というのも、今とはまったく違うものになる可能性がある。下手をしたら家電メーカーの基盤そのものが根底から揺らぐこともあり得る。「家電と連携するネットサービス」というだけでなく、家電の機器機能そのものが Web2.0 的なネットサービスになるという話なのだから。僕自身は、そういう視聴スタイルについて、まだ半信半疑の状態なのだが…。
こうして見れば、Tim O'Reilly が web2.0 の原則は妥当な話である。箇条書きすれば。
- The Web as platform.
広く共有し、利用されるプラットフォームになれば強い。APIの公開やロングテールはそのための手段。 - Harnessing Collective Intelligence
多数の情報を得るためには人手が必要。多すぎる情報を整理(欲しい物を探せる)するにも人手が必要。少数では無理。 - Data is the Next Intel Inside
大抵のデータが無いと安心して頼れない。1.のプラットフォームと同じことのような。 - End of the Software Release Cycle
これはオープンソースが原因だろう、自前のリソースが十分にあれば問題は無い。ただし、これほど多量なリソースを持つ組織もほとんど無いだろう。 - Lightweight Programming Models
シンプル、簡単に利用できないと利用が広がらない。 - Software Above the Level of a Single Device
いつでも何処でも、PCに限らない。lightweight と似ている気がする。 - Rich User Experiences
使いやすくないとね。
という事だろうか。よく出来ている。
Tim O'Reilly はWeb製作者に向けて言っているので使う側から見ればそれほど重要では無いものもあると思うが、情報は欲しい時はネットで探せばよい時代を支配するには必要な物ばかり。もちろん、データの囲い込み、ネットに十分な情報が蓄積されない可能性もあるが、今やいくつかの人やら組織が情報はネットで検索する時代になることに大金を張っている。日本では、情報ソースの囲い込みが強い(TV,音楽業界)、収集家が多い、などが阻害条件も多いけど、今の中学生や小学生が社会人になる頃にはどうなっているのやら。
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